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シンデレラ
昔々、シンデレラと呼ばれている美しく心の優しい娘がいました。 シンデレラのお母さんはなくなり、お父さんは新しいお母さんと結婚しましたが、2番目のお母さんはとても意地悪で、さらにその連れ子である二人の義理のお姉さまからもその美しさを妬まれ、掃除、洗濯、食事の支度などすべてシンデレラにやらせていました。
ある時、この国の王子様が舞踏会を開く事になり、二人の義理のお姉さまはドレスを着てお城へ出かけていきました。
シンデレラも行きたかったのですが、もちろん連れて行ってもらえず、一人になり悲しくなったシンデレラは泣き出してしまいました。
「わたしも舞踏会に行きたいわ」
すると、シンデレラの目の前に魔法使いが現れ、
「泣かないで、シンデレラ、私が舞踏会へ連れて行ってあげるわ」
「本当?でも、こんな服では行けないわ」
そういうと、魔法使いは魔法の杖を振り、素敵なドレスを用意してくれました。
「それからシンデレラ、畑でカボチャを取っておいで」
シンデレラが畑からカボチャを取ってきて、魔法使いがそのカボチャを叩くと、カボチャがどんどん大きくなり、何と黄金の馬車になったではありませんか。
「まあ、立派な馬車。すてき」
「まだまだ、これからよ。馬車を引くには、馬が必要よ。そこに、ハツカネズミが六匹いるわね」
魔法使いはハツカネズミをつかまえ、魔法のつえでハツカネズミにさわると、ネズミはみるみるうちに、立派な白馬になりました。
それから大きな灰色ネズミを一匹連れてきて、
「このネズミは・・・」
そういうと、今度は立派なおひげをした太っちょ運転手に早変わりです。
「シンデレラ、次はトカゲを六匹集めておくれ」
「はい」
シンデレラが集めたトカゲは、魔法のつえでお供の人になりました。
「ほらね。ドレスに、馬車に、白馬に、運転手に、お供。さあシンデレラ、これで舞踏会に行く仕度が出来たわよ。それからこのガラスのクツを。」
そういって魔法使いは、シンデレラに小さくて素敵なガラスのクツをわたしました。
美しいドレス、かぼちゃから作った豪華な馬車、きらめくガラスの靴、シンデレラはとても喜びました。
最後に魔法使いはシンデレラに1つだけ注意を与えました
「12時を過ぎれば馬車もドレスも魔法が解けて元の姿に戻ってしまうから、必ず12時までには戻ってきなさい。」
「わかりました。かならず12時に戻ってきます。」シンデレラはそう約束して、大喜びで舞踏会へ出かけました。
さて、舞踏会に着いた美しいシンデレラは、たちまちみんなの注目の的となり、王子様もシンデレラの美しさに気づき、シンデレラを踊りに誘いました。
「ぼくと、踊っていただけませんか?」
「もちろんです。王子様」
シンデレラは王子様と夢のような時間を過ごしているうちに、時の経つのも忘れてしまい、気がつくと、時計が12時を打ち始めています。
魔法使いとの約束を思い出したシンデレラは駆け出しました。
「まあ大変、12時だわ。もう帰らなくては。」
まだシンデレラがどこの誰だか聞いていなかった王子様は引き留めようとしましたが、シンデレラはあっという間に消えてしまいました。
階段にはシンデレラが履いていた美しいガラスの靴が片方だけ残されていました。
王子様は何とかしてあの舞踏会の女性を探し出そうと、おふれを出しました。
ガラスの靴がぴったり合う女性を自分の妻にする、というので、身分の高い女性から次々にガラスの靴を試してみましたが、ガラスの靴がぴったり合う女性は誰もいませんでした。
王子様の使いはシンデレラの家にもやってきて、義理のお姉さまたちも靴を試しますが、何とかしてガラスの靴を履こうと無理をしましたが、無駄でした。
そこへシンデレラが進み出て、王子様のお使いに、
「私にもクツをはかせていただけませんか」と頼みました。
「何をバカな事を言っているの」
そう義理のお姉さまたちはいいましたが、お使いはシンデレラにも履かせてみると、ガラスの靴はまるでシンデレラのために作ったかのようにぴったりでした。
お使いは、この方こそ王子様の探しておられた女性だ、と言って、シンデレラをお城へ連れていき、シンデレラは王子さまと結婚して、いつまでも幸せに暮らしました。
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