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ふろにタクワン
あるところに、ゆかいな息子さんがいました。
ある日、家族みんなで、お茶漬けを食べようとしたら、その息子が、
「あついから、食べれないよ。」
というので、
「たくわんを入れてごらん。そうすりぁ、たくわんでお茶 が冷たくなって、食べれるようになるでしょう。」
と、家のだれかが教えてあげました。
それから何日かして、その息子が、ある旅館にとまったときのことでした。
「まあ、まあ、つかれたでしょう。さあ、お風呂に入ってください。いい湯かげんですから。」
そういって、旅館のおかみさんが、さっそくお風呂へ案内をしてあげました。
ところが、しばらくして、
「たくわん、持ってきてくれーい。たくわん、持ってきてくれーい。」
という大きな声が聞こえたので、おかみさんは、びっくりして、
「はい、はい、どうしたんですか。」
と行ってみたら、
「風呂があついから、たくわんを、いっぱい持ってきてくれい。たくわんで冷まして入るんだよ。」
それを聞いて、おかみさんは、大笑いしましたとさ。
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