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なぞなぞおばけ

むかし、むかし、お坊さんが一人、旅をしておりました。
ある晩、お坊さんは、旅の途中、山の中の古びた、荒れ果てた小さなほこらで休むことにしました。長い間、誰も気にかけなかったとみえ、中はほこりとくもの巣で覆われていました。
お坊さんは、夜中薄暗い明かりで目が覚めると、そばから変な声が聞こえてきました。
「お坊さん、俺たちが誰だかわかるかい。」
「お、お化けだ。」お坊さんは、背中に寒気を感じました。
「お坊さん、これからなぞなぞを三つ出す。答えられなかったら、食べてしまうぞ。はじめるぞ。」
「足が一本、目が一個。さて誰でしょう。」と一番目のお化けが、
「四角い顔に、歯が二つ、目が三つ。さて誰でしょう。」と二番目のお化けが、
「丸い紙の体の中に明かりが一つ。さて誰でしょう。」と三番目のお化けが言いました。
「助けて下さい。」と、お坊さんは震えていましたが、食べられては困るので、答えを出そうと必死に考えました。
「わかった。」と立ち上がると、大きな声で、
「最初は、傘のお化け。二番目は下駄のお化け。最後は堤燈(ちょうちん)のお化けです。」
お坊さんが言い終わるやいなや、お化けはパッと消えてしまいました。

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